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第七話 寂し気な…見捨てられた、孤独な王子

last update آخر تحديث: 2025-02-19 02:07:06

黒の王、アージェントが言葉を紡ぐ。

「白の国の姫よ 

これは私の大事な家族と側近のタルベリイに竜人のアレルド

後程、それは歓迎の食事会の時に

この場にいないもの達も含めてゆっくり紹介しよう」

「私の息子アーシュランは 

間もなく、白の国に出発するので挨拶のみになるが」

「王子様、アーシュラン様」

エリンシア姫は彼に微笑みかける

少し戸惑いの表情をみせながら、まだ幼さの残る少年アーシュランは再び会釈した。

「初めまして、白の国のエリンシア姫様 

私はこれから、すぐに出発しますので…これにて、失礼いたします 

どうぞ、つつがなく黒の国で過ごされてください」 

そう言い残して、振り返りもせずにその場から立ち去った。

まだ、幼さが残る 

どこか寂しげな後ろ姿が印象に残った。

「エリンシア姫様、どうぞ、こちらです」 

明るく笑う幼い少女、王女ティンタル

彼女の瞳も 

先ほどの少年、王子と同じもの、宝石のような赤い火焔の瞳

エリンシアは思い出す

そうだったわ、先読みの占い師の間では 有名な話

黒の国の次世代は、焔の使い手 

瞳の色はその証を示すもの

でも、本当に不思議な色の美しい瞳だわ

エリンシアはそう思った。

夜、歓迎の宴は始まる。

離れの大広間に向かう 道の途中の屋根のついた柱の道

ふと 気が付いてみると 数頭の馬が王宮の外に出ようとしていた

よく見ると、2頭目の馬に先程の少年 

黒の王子アーシュランが乗っていた。

1頭目は警護の者 

3頭目には同じく警護の者だろう

たった2人の警護の者だけ

見送る者もなく、まるで捨てられているかのごとく

「・・・」

「姫さま・・」

「あまり、気にされない事です」

それは、つい先程、エリンシア姫付きの女官となった 

黒の国の女官は続けて言った。

「王子、あの方の半分の血は、卑しい人族の者ですわ

母親は卑しい身分の者

売春宿にいた事もあるのですから」

「え?それは・・一体どうゆう事ですの?」

女官は 

エリンシアに事の次第を問われるまま 

あっさりと話をした。

王子アーシュランの母親は人族の娘

しかも一度、攫われて、売春宿にいるところを恋人であった竜の顔を持つ戦士セルトに救われて

ある時、偶然、黒の王の目に止まり、無理やり

恋人との仲を裂かれ

王のものになったという

その為 黒の王はありもしない罪を軍の司令官の一人だった戦士セルトにおわせ、追放させ

戦士セルト

彼は幼い義理の妹とともに王都から出ていったという

しかも そのアーシュラン王子の母親は数年前に流行り病、あるいは何者かの毒で亡くなり

その上、まだ幼い彼は 黒の王妃から大変疎まれ

平和条約の為の人質交渉に真っ先に候補にあがり こうして 白の国の人質となったのだ。

そう、捨てられるように・・

彼はアジェンダ王以来の3百年ぶりに出現した 待望の赤い火焔の瞳の王子のはずなのに

だが、王妃は赤い火焔の王女を産んで 

もう、彼は用済みなのだ

「可哀そうに・・」小さな声でエリンシアは呟く。

女官は聞こえなかったか、聞こえないふりをしたのか そのまま エリンシア姫と供に 無言で付き従って行った

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  • 羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2   ティンタルとティナの会話

    「エリンシアの体調が良いから、一安心だわね可愛いティナ」「はい、ティンタル様、私も母さんが元気そうで嬉しいです」暖炉の傍で暖かなショコラを飲みながら、ティンタルが呟き小さなティナがその言葉に答えた。無事にエリンシアの出産を終えて、しばらくの後ティンタルは自分の怪我の治癒、休養に互いの雪の季節故に黒の国と巨人族の国との戦争、小競り合いは休止状態であるので今もエリンシア達の家にのんびりと居座りを決め込んでいたのだった。「ティナのお焼き菓子は美味しいわ、ありがとう」まだ小さなティナの赤毛の頭を優しく撫でながらテインタルが呟くように言う「テインタル様、ありがとうございます」頬を赤くして、小さなティナ最近は母親のエリンシアに廻りの者たちから料理を習い、ティナは少しづつ料理の腕前を上げてゆく他にも学ぶ事は多く、父親のアーサー達に母親のエリンシアからは楽器の演奏もはじめていた。「テインタル様、また黒の国の言葉を教えて下さい黒の国の絵本を貰いましたから、読みたくて」「ええ、大丈夫よ、良いわ」「異国の遠い国、黒の国の事がもっと知りたいです、ティンタル様」「だって、とても綺麗なティ様、ティンタル様の故郷ですもの」確かに…黒の国は懐かしい故郷、愛する王国束の間…ティンタルの記憶の中にある懐かしい幸せな幼い少女時代の記憶が脳裡をよぎる。だが、今のティンタルは逆らえない命令とはいえ、同胞である黒の国の民に刃を向け、多くを傷つけ、殺した。少し戸惑う表情をしてから、黒の王女であるティンタルは答えた。「…そうね、沢山教えるわ」「本当は武術も教えた方が良いのかしらね」少し考え込む仕草をして「ティナの魔法資質はどうかしら?」

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